第10話「鉄鋼魔龍」です。
意識を取り戻した主人公は起動要塞ガンダルバに収容されていました。ここにきてようやくシンに取り憑いている者の正体、そしてその目的が会長と副会長から語られます。
ヴァ・ハーラとは時間と空間を遥かに隔てた別の宇宙で生まれた邪悪な意識体であり、宇宙の源であるヘキサムーンを破壊することで宇宙を作り変え、新たな創造主になろうとしている存在。
ヴァ・ハーラと同じ宇宙に生まれた会長達はヴァ・ハーラと戦うことを宿命付けられた一族であることが明かされます。
最終話にして色々とややこしい設定が出てくるので大変です。要するにヴァ・ハーラを倒さないと宇宙がヤバいらしく、実際、ちょっと目を離した隙にまたまた面倒な事態を起こしやがりました。
ヘキサムーンそのものを呑み込むほどのヤヌスゲートを開き、同じ座標にある別の宇宙の『月』と干渉させることで月もヘキサムーンも粉々に砕こうとしてきます。
さっそく出撃して企みを食い止めようとしますが、アブセント・ハートによってミューズが不調……ということで、サポート役としてドルガイヤーに睦も同乗することに。ゴキゲンな専用ムービーが用意されていました。
だからなんで野郎だけが脱ぐんだよ!
立ちはだかるのは『太陽』『星』『悪魔』の3軍団。
クロスロード鉄鋼兵団の生き残りですが、結局彼らのスタンスってどうだったんでしょうね。シンに忠誠を誓っていたからヘキサムーンの制圧に尽力したのか、もともとあった野心からヴァ・ハーラの尻馬に乗ったのか、見た目的には後者っぽいんですけど。
何にせよ、ただの軍団員では敵になりません。サクッと倒します。
この時は気付きませんでした。彼らがラスボスであったことに……。
軍団を撃破し、ヴァ・ハーラと対峙する主人公。
全てを終わらせるべく攻撃を仕掛けますが、持ち前の性格からシンを相手にためらってしまいます。一方、何故かヴァ・ハーラの様子もおかしくなっています。
どうもシンの精神力が並外れていた為にヴァ・ハーラと精神が完全に融合したらしいです。お互いに深い絶望を抱えていた為か、穏やかな口調で主人公達に新たな世界でやり直そうと持ちかけてきます。
どうすればいいのかわからず、なすがままにされてしまうドラゴンガイヤーですが、ここで睦が待ったをかけます。
宇宙規模の悪魔と主人公に一喝する睦。
主人公もこれで吹っ切れ、更なる変身を遂げます。
金色の巨大な龍に変形してヴァ・ハーラをぱっくんちょ。有耶無耶の内にヴァ・ハーラの精神は消滅し、シンは救出されました。主人公からしてこまけぇこた~気にすんなと締めるのでどうしようもありません。
まさかラスボスがアドベンチャーパートだけで倒されるとは思いませんでした。
何にせよ戦いは終わったのでめでたしめでたし。
ドラグーンとしての使命は果たしたものの、主人公は、ミューズの力になるためにヘキサムーンに残ってこれからも傍にいることを誓います。
作中でまるで言及されないのですが、主人公の家族はどうなっているんでしょう。
主人公としては覚悟完了だったのですが、そうは問屋がおろしません。ミューズからアコレイドが解除されたこと、プリンセスとドラグーンが同じ地にいることが許されないことを一方的に告げられ、主人公は地球に強制送還されてします。
新しい世代の種を蒔く(意味深)。
利用されるだけ利用されてポイされているようにしかみえません。
意識を取り戻した主人公が目にしたのは睦の姿。補修を受けるために登校したあの日に戻ってしまいました。あまりにもあんまりな展開に絶望する主人公ですが、そんな彼を覗き込む見慣れた顔が――。
おわかれしたはずのプリンセス勢ぞろい。鋼鉄の龍が人々の記憶から自分のことを消すために時間を押し戻したことや、ヘキサムーンの復興まで休暇をもらってきたことが伝えられます。
こちらに居られる期間はヘキサムーンの暦で1ヶ月か2ヶ月か……ヘキサムーンの1日はトライアースでは1ヶ月……ということで、これはもうかなりの年月を共に歩めることになります。
「……ずっと……ずっと一緒です」
満面の笑顔で主人公に手を差し出すミューズで締め。
復興に助力する気がカケラもないプリンセスってどうなのって感じですが、まあいいでしょう。課せられた使命よりも目先の欲望を優先するのが人間として正しい姿……そういったメッセージをこれまでの物語で僕たちは受け取ってきましたからね!
しかし、信じて送り出した可憐なプリンセスが数ヶ月経って婆さんになって帰ってきたらヘキサムーンもガックリでしょうなあ。事後処理でかなりの犠牲が出そうです。