あかべぇそふと3の『空色イノセント』の体験版をプレイしました。プレイ時間は大体4時間程度、シーンは月ヶ瀬まひると椿亜美の2種類が用意されており、こちらは本編でのイベントではなく最初からエクストラから鑑賞出来るようになっています。体験版時点ではそこまでの関係には至らないので致し方ありません。
内容は、航空学校の経営破綻により転校を余儀なくされた主人公が転校先でなんやかんやあって親鳥を失った卵を孵化するために生物部に入部し、空に対する憧れを胸に秘めつつ『カナダガン』の飼育に奔走するというもの。
見目麗しいヒロイン達と四苦八苦しながらも卵の孵化に成功させますが、新たに餌代という問題が浮上してしまいます。カンパを募る等、その場しのぎの手段では来年に一人残される椿亜美の負担が大きい……。
ということで、餌代をカナダガンが自分たちで賄えるように『水鳥フライングスクール』でアルバイトとして雇ってもらうべく、『ウルトラ・ライト・プレーン』と呼ばれる航空機と一緒に飛ぶようにカナダガンに芸を仕込むことに。一度は諦めたはずの空を、カナダガンに生きる術を与えるためにもう一度目指すハートフルな青春ADVです。
流石に無茶じゃないかなぁとか、航空機を動かす資金だけで死ぬまでカナダガンの世話出来るよな……なんて思ってしまう自分の若さのなさに愕然としましたが頑張って最後までプレイしました。学生時代は名誉帰宅部として青春をドブに捨てた私にはなかなか刺激が強かったですね。傷口に塩とタバスコを塗りたくるような、そんな感じです。
空がどうこうと公式サイトに書いてありましたが、どちらかというとカナダガンの飼育とヒロインとの恋愛が主題に置かれている印象でした。主人公がハナっから諦めていて新しい何かを見つけようというスタンスだったのもあって、親が気を利かせて飛行機部のある学校に転入させたことで機材も顧問も存在している至れり尽くせりな環境が用意されていました。故に、空を飛ぶために頑張るぞいといったモチベーションが発揮される展開はないのでちょっと肩透かし感。
体験版時点では、未経験者の月ヶ瀬まひるの練習風景ばかりが映されますし。
飛行中のイベントCGが全然ないのが気になりましたが、鋭意製作中だと信じています。
■月ヶ瀬まひる
ボランティア部として他人の世話を焼いて男性をドキドキさせるストーカー製造機。料理の出来ない主人公を見かねて出会って初日で夕飯を作ってくれたりと存在がファンタジー過ぎます。間も無く主人公がヒロインを異性として意識してイベントのいちいちに一喜一憂するのはこの手のゲームでは結構珍しいような。
メインヒロインとして明快すぎて、他ヒロインルートがいまいち想像出来ないのが良くもあり悪くもあり。
■椿亜美
一つ下の後輩。いつの間にか主人公に惚れているチョロイン。
いい子だし可愛いねとしかいえないです。
■二風谷華子
オパーイデカーイ映画部部長。まひると亜美の恋路を生暖かく見守る立ち位置。性格に難のある天才型で、主人公の家に勝手に侵入して一緒に飯を食ったりと傍若無人な振る舞いをしてきます。まあ『ひだまりスケッチ』の宮ちゃんをダウナーな黒髪ロングにするとこうなるかなという印象。
いい体してます。
■桐見ひかり
主人公よりも後に転入してきた少女。体験版では全然出番なし。出てきた頃には今更どうすんの感が半端なくて可哀想でした。挽回出来るんでしょうか。
■月ヶ瀬日夜子
天使。攻略出来ないのは確実なのが悲しい。
体験版の限りでは明るい青春モノといった感じ。合間に挿入されるデフォルメイラストが可愛いですし、立ち絵も豊富なのでクオリティは高い印象です。テキストに関しては主人公目線で物語が進んでいるのに唐突にヒロインの視点になったりと難もありますが、気にしなければ問題はありません。
いわゆるギャルゲー的なヒロインと主人公に対する突っ込みを仄めかす台詞もありましたし、恋愛に関しては真面目に描写する気概があるのでしょう。体験版の限りでは自虐にしか見えませんが、製品版ではきっと上手くやってくれる予感です。
青春、田舎、空、飛行機――こういった単語に弱い人は実際にプレイして雰囲気を味わってもよろしいのではないでしょうか。